2012年1月28日土曜日

日本の狭い面積を活かす方法

日本での食べものを考えるときに、日本の土地柄や気候、植生や降水量などさまざまな条件が他の国とは違う。

環境としては比較的恵まれているが、同しようもないこともある。
例えば、面積の小ささ。元々国土が狭い上に山地が多く、山地は耕作出来ないので、住居の面積も小さくなるし、農地も狭くなる。

狭い面積でアメリカ型の大規模単一栽培をやろうとするとどうしてもコスト面では大規模でやっている国には勝てない。

日本でやるべきな形は大規模単一ではなく小規模多品目の形のほうが適しているように思う。確かに大規模化のメリットが活かしやすい穀物類は難しいのかもしれないが、最近はCSA(地域が支える農業)やファーマーズマーケットなど、他所の国でも大規模化と反対の動きが起こっているしその中心には地域の小規模農家がいる。

日本は特に耕地面積が狭いのでこの面積をうまく生かしながら、次の世代としての水や植生、土をより良い環境に整えていきながらの小規模の農家が増えていくのが一番良いのではないかと思う。

ただ小さければ良いかというとそうでもないと思う。
コンポストの素材としての敷きわら+馬ふんを運ぶ人
当時面積は小さければ小さいほど良いと言われていたパリのマーケットガーデン。
大規模で大量生産は確かにコスト面では安くはなるかもしれないが、同じ面積を小規模で様々な作物を植えつける小規模の農家の方が多くの場合より多くの食べものを育てることができることは様々な研究で言われていること。

ただ小規模であれば良いかというとそうではないと思う。

小規模であってもその狭い面積を生かしてより多くの食べものを育てる事ができるような技術とそれを様々な環境的なダメージを与えながらでなく環境を良くしながらする方法が広がっていく必要があるのではないか。


以前にも小規模の方が良いのでは。ということをブログで書いたときにも紹介したエリオット・コールマン(Eliot Coleman)が面白い事を言っていたのを聞いたので、それを紹介しておきたい
エリオット・コールマンのモデルパリのマーケットガーデン(1800年代後半)




彼は小規模でより栄養豊富な食べものを育てる方法を模索して現在の少ない面積ではあるがものすごく生産性の高い状態を築くことに成功しています。彼自身は自分で考えたのではなく昔からあった技術や知恵を使っていて何も新しい事をしているわけではないと言っいますが…


彼は度々若い農家希望の人たちに質問される事があるそうですがその内容が日本の形にも参考になるかなと思う内容でした。

質問されたことが
質問者:「私は40a程度の土地しかありませんがあなたの言っているような農業は面積が小さすぎて可能だとは思えません。」という内容。

彼は
エリオット:「例えばあなたはニンジンを90センチ程度の畝に何条まきますか?」と質問

質問者:「2条かな」

エリオット:「私なら12条まきをするからあなたの6倍、2.4haの土地でやっているのと同じですね。」「年に何回の作付けですか?」

質問者:「1回」

エリオット:「私なら年に4回育てるのでさらに4倍。あなたが管理する9.6haと同じですね」


この質問者程の耕作状態の人は少ないかもしれないけど、端境期を作らない栽培をしてさらに同じ面積で効率良く育てる。こんなことができるようにシステムづくりすれば面積の小ささを考える必要がなくなるのではないか。
ちなみに下の写真はGrow Biointensiveという栽培を提唱するジョン・ジェバンズ(John Jeavons)が例として出しているレタス栽培ですが、上の写真の4分の1の面積で同じ収穫量を上げれる植え方(レタスの成長するサイズを計算して苗を植え付けるときに最も効率良く育てられる用に配置する。この場合六角形の形をとってその形に植えてある)
通常の栽培:右の4倍の面積を使って
いるということの例







Grow Biointensive:
面積が4分の1で同じ
量のレタスが育つ
































こういった事を日本でもやっている人はいるとは思うけども、よりこういう形をしている人が増え、そのやり方を改善していければ狭い面積でしっかり管理して今よりも生産性高い状態を作れるかもしれない。

エリオット・コールマンの育て方もジョン・ジェバンズの育て方もその生産性のベースにはもちろん土が良くしていくということが含まれている。
いくら良い植え方をしても根本の土が劣化していたら育たない。

肥沃な状態を創り上げなければ出来ないことだけどもこういう栽培の方法も面白いのではないかな


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