2013年5月26日日曜日

身体と土の仕組み

読まなくなった本
先日とあるマーケットで、友人出店のブースで読まなくなった本をもらいました。閉店間際だったらしく、
「欲しいのあったらどうぞ。」
と言われ、見渡したその中にあった本、夏井睦著の「傷はぜったい消毒するな」という本がありました。

自分ではまず買わないと思ったこの本でしたが、買って、そのまま未読の本の中に埋もれていました。

そんな時に作業中に怪我をして、この本のことを思い出しました。
読んでみるとこれが、すごく面白い。

皮膚の微生物についてなんて、今まで読んだことはなかったし、聞いたこともなかった。いることは知っていましたが、何をしてるのか、どういう環境が好きなのかすら知りませんでした。

皮膚の微生物と、土の微生物
土にも微生物がいます。皮膚と土、全く違うように思えて、生物がいるお陰でということが多くあることは共通しています。


植物の根に共生する菌を例にすると、彼らは宿主が弱れば、弱り、しっかり生育すると菌も生育できる環境ができます。宿主である植物が死んでしまうと、菌も生きることができません。

植物の根に共生する微生物の例。Resources:USDA Biology Primer


皮膚の微生物も同じく、宿主である人間が死んでしまうと、生きていくことが出来ない。だから常に人にとって必要な活動をしてくれている。

当たり前のこととして、普段起こっていることですが、ほとんど意識することはあリませんでした。

土に興味を持ったきっかけ
そもそも土に興味を持ったきっかけは、大学時代の格闘技経験。その時の体づくりのための食へのこだわりや意識が芽生えたことが始まりでした。

体づくりのための食
食べものの栄養など
食べかた(色々と試しました)
食べものの質=農業
食べものの質の根本=土

色々と食べ方や栄養について、考えていく中で、食べものの質が悪ければ、どんな食べ方も意味がないのでは? と思い始め食べものの質は土の状態によって違ってくると思ったことからでした。

土は人の身体の仕組みと似た働きをする
良く、土と人の体の仕組みは似ていると言われて、比喩として使われる事があります。
今回の「傷はぜったいに消毒するな」の中にあった内容もそうですが、やはり似ています。

殺すのではなく活かす
近年の殺菌、除菌ブームに乗って、皮膚の微生物を殺菌し続けると、本来皮膚を保護してくれている良い生物まで殺菌してしまい、状態が悪化してしまうそうです。(例:石鹸での洗いすぎや、アルコール殺菌し過ぎたら手が荒れるなど)

確かに作物や植物を育てる際に、菌による病気が発生することもありますが、全ての菌を殺して無菌にするのではなく、それを抑える事のできる生物の環境を整える方向が、必要になります。
これは生物的なアプローチだけでも、解決できることは多くあります。
いかに生物の環境を整え、殺菌しなくても良い状態を作るか。
土を考えても、皮膚を考えても、このような方向に考える事が、実は一番楽な方法なのかもしれません


土の生物についての研究
人に有用な生物の研究(体内や皮膚などを含め)でもまだまだ分かっていないことが多くあるなか、土の微生物や生物は世界共通で、それほど研究資金は回ってこず、研究されていません。
しかし皮膚の例をとっても、人の身体や他の生物についての研究や情報と比較しても、根本的には同じようなものなのかもしれません。
もっとこういった事例を知っていくことは、伝え方の幅を広げることに繋がりそうだなと思えた一冊でした。


怪我の治療を試してみて
実際怪我をして読んでみて、ためしてみると、かなり深い傷だったのに、2日位で傷はふさがって、かさぶたもなく、いつもより早く治りました!

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