2013年5月24日金曜日

休ませるということ

「休ませるために何も植えない」
ということや
「休ませることについて」

ということを最近質問される事が多いです。

連続して同じ植物を育て続けると、生育が悪くなる連作障害などが起こるため、その期間は何も育てず休ませる事が、解決策として良く取られています。

例:休ませている農地

でも実は、この方法、休ませ方としては進められるものではありません。

それは何故か。

休ませている間に起こっていること
例で取り上げた畑のように休ませていると、その期間中、風雨など自然の要因にさらされるため、通気が悪くなったり、暑い時期だと水の蒸発が続いたり、雨が降ると土壌侵食や土の物理性の破壊などが起こったしています。



実は長期間何もしない状態で、除草や耕起を繰り返すと、いつの間にか土はすごく劣化しています。そんな田畑が多くあります。
栄養もその間に雨と一緒に失われ、土の生物の環境としても良いとは言いがたい環境になってしまいます。

新しい休ませ方の提案
昔は春になるとレンゲ畑が多くあったのを、覚えている方も多いと思います。

レンゲ畑


このレンゲ畑のような形、こういう状態をつくっていく事が、普通に何も植えずに耕しておくだけより、ずっと良い形の休ませ方です。

ひまわり畑:夏

ひまわり畑。これも休ませてると言える状態です。

ヒマワリの生育。根の周りの土の状態は、何も植えていないところと比較するとものすごく改良されています。


この様に何か植物を育てていると、土の状態は良くなっていきます。
植物が栄養を吸って栄養のロスは減り、生物の環境も整い、風雨にさらされず、連作障害を起こしにくくなります。


とても重要な技術
輪作(ローテーション)は、昔から考えられてきた、良い作物を栽培するために重要な技術です。
あまりそこまで良い研究がされている分野ではありませんが、土の再生を行なっていくための基本技術です。
何を育てるのであれ、輪作について考えながら「休ませる」と、次の植物にとってより良い環境をつくることもできます。もちろん収穫高にもつながること

輪作におすすめの本
輪作について、あまりおもしろい本は出てませんが、これは面白い。
ただ、休ませる方法としてでなく、次の作付けを考えた輪作を考えさせられる一冊です。あまりに面白かったので、一度著者の方に会ってみたいと思っていたら、偶然縁が出来たので、近いうちに会えそう。聞きたいことを色々と考えておこう!



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