2012年8月29日水曜日

オアフの土の問題と対応策



大規模なサトウキビ栽培の、痩せてしまった土の跡地で農業をやっていく時に、すぐにオーガニックでと言うことは、不可能と言える程難しい。やせた土を少しずつ、肥沃な土に戻していくことが大切ですが、環境的な制限もあってオアフ島では難しだろうなと思いました。

不可能という言葉を使っている理由をいくつか挙げると
1、水の欠乏と干ばつ
2、通気性の悪さと、土の状態
3、栄養
4、生きものの環境


1、水の欠乏と干ばつ。
年間降水量が600mm程度しかないオアフ島。今年の夏は特に干ばつで、ろくに雨が降らず、道路沿いの草まで枯れていました。野菜であれ、果樹であれ、作物を育てるときに水が欠乏すると生育はできません。

水はただ、植物に必要なものではなく、私たち人間と同じように、生きもの全てにとって必須です。水が欠乏することで、作物の生育を助けてくれる生きものも、生きにくい環境になってしまいます。
対策として農業用水を、この様にチューブで少しずつ与えていますが、チューブの周り少しの範囲のみ。水がないところはカラカラに乾燥しています。

粒子の細かい土で、雨が降るとすぐにベタベタになって固まってしまいます。少し湿ると歩いてすぐにベトベトに土がついてきます。           
水を保える機能も低下している状態です




2、通気の悪さと、土の状態

 
粒子が細かい土が、大きな固まりを作ってしまっていて、空気が通りにくい状態。






3、栄養
植物が使う栄養は、土から吸収するものが大切ですが、ここの土は栄養のバランスが崩れてしまっています。鉄や銅が過剰で、カルシウムやマグネシウムが欠乏など、複雑にバランスが崩れてしまっています。ただの栄養欠乏だけでなく、1,2のように水や空気にも問題があるので、すぐには直りにくい問題です。

4、生きもの
生きものは普通、植物の生育の邪魔をすると思われることも多いですが、植物と一緒に育つことで、生育を助けるなどのサポートをしてくれる場合もあります。また空気や水などを考えるときにも必要なのですが、ここでは土が劣化してしまっているのに加えて、過度に乾燥してしまっていて、生きものの環境が乏しくなっています。

野菜栽培などで考えると、害虫も少ないため、栽培の難易度は下がるかもしれませんが、それ以上に、生きものが生きれない乾燥状態はマイナスが多いです。


問題を解決するための取り組み
●コンポスト
●カバークロップ&緑肥
●有機物で土を覆う(マルチ)

どこの国へ行っても、オーガニックファーマーがやっていることは、そんなに大きく違わず、今回もベーシックな、この3つはちゃんとやっているファームでは取り組んでいました。

●コンポスト
溝にコンポスト
コンポストの材料が、降水量が少ない環境のため、かなり少なく、限られた量しか作れないという不利な条件。ハワイでのコンポストについてはま

●カバークロップ、緑肥
サンヘンプ

●有機物で土を覆う(マルチ)
刈草を使ったマルチ

今回のまとめ

この環境の中で農業を、それもオーガニック(化学物質なしで)やるということは、日本でやる以上に大変なことです。初期の状態で、サトウキビの跡地を使わなければならない。そこの土の状態はひどいもの。

それに加えて降水量が少なく、水が乏しい。更に植物が育ちにくく、太陽のエネルギーを効率良く利用する形が難しい(コンポストの材料の乏しさ、雑草や緑肥などの栽培の難しさ)

水や土、気候に恵まれた日本では、当然に思われることでも、違う国では違ったふうに認識されます。改めてこういうふうに、外から日本を見ると、違った意味での汚染はかなり多くありますが、環境、水、土など資源に恵まれた豊かな国だなと思えます。



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