2012年6月25日月曜日

草原の土 -多年草穀物の栽培

これが本当に出来れば食料問題の解決策として理想的。

30年以上に渡って研究してきているランド研究所。彼らの最も興味深い実験が「多年草穀物の品種改良と実用化」です。
上手く出来るようになれば、遺伝子組み換えなどの技術が一気に陳腐化する?ほど食料や次の世代のことを考えた環境保護や土の保護が一気に改善するかもしれません。


米、小麦、トウモロコシ。この3つの穀物がほとんどの世界で主食とされている穀物。このうちのどれかが主食となっているところが多いのですが、共通しているのは毎年植えなければならない。ということ。米粒だけとってワラを置いておいたらまた翌年も米をつけることはありません。

多年草穀物はこれを可能にしようという試み。 現状はまだまだ収穫できる穀物の部分は少ないので実用化は程遠いとは思います。

収穫してもまた翌年同じ所から生えてくる環境を作れば耕す必要がなくなります。必然的に耕すことによる機械での土へのマイナスの影響を避けますし環境にあった強い多年草は殺虫剤や殺菌剤もほとんど不要。除草も常に多年草自身が他の草を抑制してくれるので必要なし。
下の写真は左から9月、12月、3月、6月の写真で、根の長いほうは多年草穀物(ウィートグラスという品種)短い方は通常の小麦。小麦は9月に撒くのでその時は土はむき出し,根はなし。しかし同じ時に多年草の方はすでに下にこれだけの根を伸ばしています。




収穫時期の6月の写真を見ても同じで小麦の根の量と多年草穀物の根の量は比較にならないほどです。

常のこれだけの根が出ているということは土がそれだけ保護され、大雨や洪水などの影響を緩和してくれますし、侵食も防ぎます。





上の写真は左手が小麦の栽培後の土。右手は多年草穀物の土。小麦の方も悪くはないですが、多年草の方と比べるとだいぶ見劣りします。土の状態も圧倒的に多年草のほうが良くなっています。

ランド研究所の周辺は元々大草原(プレーリー)と呼ばれた地方で元々肥沃な土だった環境でした。下の図はアメリカで一般的な元々森だったところが開墾されて農地として使われた結果数十年でどういう土の状態になったのかということを有機物の量で比較したものです。
左から森の土(未開墾)、森の土(農地使用後)、草原(未開墾)、草原開墾後(農地使用後)

これらの土での有機物の量の減り方が以上に多いのが分かります。
森の土では元々4%ほどあった有機物が農地として使用された結果1%弱程度にまで減少しています。

草原(プレーリー)では12%だったのが5%程度にまで落ちています。

森とプレーリーの数字の違いが一番上の写真にあるような草原地の草の残す有機物の量の多さがあるからか、かなり多く、より肥沃な土となっていましたが大規模農業で結局使用されれば劣化は避けれないようになっています。


ランド研究所はこのような劣化を避けるためにプレーリーが元々の植生だった地域ならではの多年草穀物の栽培で自然の環境に近い環境を作り、土の状態を整えつつ食べものを栽培するということに挑戦しています。

穀物を私たちの食料として賄うまではまだまだ遠いのが現状ですが、このように自然の植生をモデルにその地方にあった土をつくっていくという取り組みだけでも十分おもしろい研究です

何より土の状態が良くなっていく多年草の植物の輪作(牧草など)を農地を休ませるように入れる形をつくることはかなり土の再生につながるのでしょう。

ただ放棄するだけではなく管理しながら多年草牧草を栽培出来るようになっていけば面白いかもしれない。

ランド研究所の取り組み上手くいってほしい。どうなっていくかこれから楽しみ

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