2012年5月12日土曜日

コンポストをつくる-食べものと水と空気

前回の続きで今度はコンポストをつくるについて。

私たちがすることは


1、環境を整える
2、整った環境を維持する
3、使う

と言うことを書いていましたが、その3つについてが今回の内容です


1,環境を整えるということ

私たち人間が生きていく上で必ず必要なものと同じ3つのものがコンポストをつくる際にも大切です。
それは



  1. 空気
  2. 食べもの
シンプルなこの3つの環境を整えることがコンポストをつくる際には必要になります。


1、食べものを集める
特に最初にする必要があるのは「食べもの」を集めること

食べものというのはコンポストの原材料のこと。コンポストをつくるのは人間ではなく、微生物を含む生きものその彼らが仕事が出来るように食べものを用意する必要があります。


どんな素材(食べもの)を準備するかによってその後のプロセスや出来上がりが変わってきます。どういう素材をと言うことについては後述します。

ここで必要なのは偏った食卓にしないということ。3食肉肉肉という食生活を送るのではなく3食いろんな物を食べて生きていく上で必要な栄養を摂取する必要があるのは私たち人間もその他の生きものも同じです。




2、水を確保する


コンポストの素材が準備できたら次は水について考える必要があります。コンポストは用意した素材を微生物などの生きものが分解することによって出来上がります。その微生物などの生きものには私たち人間と同じように水分が必要です。


砂漠に行ったと想像してみてください。カラカラに乾燥した環境で気温が40℃以上。水がなければ生きていけない。これは人間だけに言えることではなく生きもの全てに共通しています。コンポストをつくる際でも同じで、水分がない乾燥した素材だけではほとんど変化は起こりません。なので水分を調整する必要があります。


その際に降水量などを含めて管理することが大切。乾燥したヨーロッパと湿潤な日本とではこのあたりの管理が変わってきます。
水分は素材によって違い、青々とした草であれば水分量が多いですし、カラカラに乾燥したワラであれば少ない。どんな素材を選ぶかによって決める必要がありますが、触った時に手がしっとりする位が理想的


3、空気を管理する


素材(食べもの)と水が用意されてもまだ十分ではありません。
空間が開きすぎてスカスカだったり、詰まって空気が通る隙間がないような環境になると生きものが働けません。分解が進んでくると生きものは酸素を吸って二酸化炭素を吐くのでやはり酸素が減ってきます。
このように空気の管理(主に切り返したり空気を送ったり)を行うことは途中で行う必要がある管理の一つです。


嫌気(空気が入らない環境)になった時には植物に取って有害な物質(アルコールや硫化水素など)が生成される場合があるので注意が必要です。












食べもの、水、空気、この3つの要素の管理がコンポストをつくる際に私たちがしなければならないことですが、この3つは人間が生きていく上で欠かせないものと共通しています。
空気がなければ数秒で
水がなければ数日で
食べものがなければ1ヶ月ほどで
人間は死んでしまうと言われています。
同じようにコンポストも生きものが最重要。彼らがいなければいくら人為的に細かくカットしても
変化はほとんど起きません(おそらく雨の衝撃や風、光による風化位でしょう)




コンポストをつくることは料理をつくることと同じです。
科学として全て解き明かせることが出来ず数字化してもレシピを作っても
上手い人とそうでない人との差がでます。


コンポストは自然で行われていることがベースなので「こうでなければならない」ということがありません。しかし全く独創的にオリジナルのレシピがいいかというと、ある程度の基礎は必要だと思います。
料理の時に和食を全く知らない人に素材や道具だけ置いていてもおいしい和食を作れないのと同じように




おいしい食べものを食べるには良い状態の土が必要。 良い状態の土にしていくにはそこに生きる生きものへ質の高い食べものが必要。コンポストは土の生きものへの最高品質の食べもののようなもの




コンポストをつくるときの素材の基本などヘ続く








「コンポストオーナー制」始めます



2010年の9月からコンポストづくりを大きな規模で始めて常に思い続けていることは「地元の無駄にされている素材を使っての土の再生」ということで、教えてほしいと来る人には特に隠すこともないので伝えているつもりですし、コンポストのワークショップなども不定期でやってきてますが、なかなか自分でもやってみようというふうに始めるのは難しいのが現状のようでなかなか作り始める人が少ないです。


話だけでは絶対にわからないのでどんな規模でも良いので作ってみるという風にやってみて欲しいのですが、なかなか壁は高く、やはり素材をどこから集めれば良いのかということ。
時間がかかって手間だということ。機械もないから出来ないということ。作業が大変でできないということ。


理想を言うと自分の場所の近くで作ってもらえるのが一番ですが、まずやってみないことには作り始めるまでの距離が遠いように思うので、リビングソイル研究所にて「コンポストオーナー制」というような形でコンポストづくり始めます。


内容(予定)は素材は全て用意します(主に草や葉、粉砕した木のチップなど)ので最初につくる日にコンポストづくり一緒に手伝ってもらいます。途中の管理は全ておまかせで、素材によりますが、半年ほどで完成の際に選別などの作業をしてもらって持ち帰ってもらう。


最初と最後の作業だけ一緒にやってコンポストづくりを覚えてもらって、できたものは持ち帰り。
自分のところでは「場所がない」「時間がない」「重労働で出来ない」「素材がない」といったよく聞くやれない理由をカバーできると思っています


詳しくはまた案内しますが、6月頃から始められるよう準備していきます。
団体、学校、企業、個人、農家、使える場所はいろいろだと思うので少しずつ始めて行きたいと思っています。

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