私たち人間を含む動物やその他の生きものが生きていく上で必ず必要な3つの要素があります。
1,空気 -失われれば秒という単位で生きられなくなる
2,水 -失われれば日という単位で生きられなくなる
3,食べもの -失われれば月で生きられなくなる
これがその3つですが実は土を良くしていく(劣化を防いで再生させていく)と言うことはこの3つのすべての質を高めていくことにもつながります。
その中でも特に食べものとは大きなつながりがあります。
簡単に書くと劣化した土で育つ食べものは質の低いものになるということ。
砂漠のような状態になったところには植物が育つことすらできません。
単に劣化している農地の土であれば植物は育ちますが貧弱で病弱なものしか育たなくなります。
下の図は簡単に土が劣化したら植物が劣化していき、そこで育つものを食べる動物(家畜)や劣化した土で育った植物(穀物・野菜・果物など)と同じく劣化した土で育った植物を食べて育つ家畜(牛・豚・ニワトリなど)を食べたとしてもそれらが持っている栄養的な価値やエネルギーは持っていません。
どんなに良い食べ方やスーパーフードと言われるような食べものを選んで食べていても、その食べものが育つ土の質によっては上の図のようなイコールが成立してしまいます。
それはただ私たちの健康に影響を及ぼすだけではなく、上の図の背景にあるような環境の劣化にもつながっていきます。
マクロビオティックなどで「身土不二」という言葉が良く言われていますが、そのとおりで身体と土はつながっています。
なので私たちが(特に育てている人)がどういうアプローチを土に対して行っているかと言うことは私たち自身にもつながってくるということでもあります。
汚染させたり、劣化するような管理の仕方(高レベルの化学肥料や殺虫剤、除草剤、重金属やプラスチックなどの廃棄、過度の耕起)を行うことは自分たちにもその結果が帰ってくることになります。
もし土が無限に存在するものであるならば、そのようなアプローチで搾取する農業を行なっていっても何も問題ないかもしれませんが、土は石油と同じように限りある資源で、土砂崩れ、黄砂のような風食、雨で流される水食などの影響を受けて徐々に失われていきます
100年1センチと言われる土の形成を、自然や昔の人間は何千、何万という時間をかけて築いてきています。それがなくなれば当然再生させるのにもほぼ同じ時間がかかりますし、なくなったら食べものは一切育たなくなります。植物だけでなく動物(家畜)も生きれ無くなります。
この写真のように階段が宙に浮く程も土が削れて石や岩がむき出しになった状態ではほとんどの植物がちゃんと生育することは難しいです。こうなってしまっては対応が難しくなります。
大きな視点で考えると、こういう土の劣化を避けながら再生させていく(表土を増やしていく)様なアプローチが必要です。
現在、食べものを変えたら人間の健康状態が変わるということは健康食品や健康に関わる産業がこれほどまでに溢れていて広告を目にしない日はない事を見ればそのつながりが欠かせないものということは認識されていることだとは思います。
食生活に気を使う人は
「何を食べるか」
には気を使ってもなかなかその先の
「どんな土で育ったものを食べるか」ということにまでは気を使うことはできないと思います。
これだけ生産と消費が分けられてしまっては分かるはずもありませんがそういう視点もこれから必ず大切になってきます。
上の劣化の3つを見てわかるようにいくら健康食品を取っていても、原材料が劣化した土で育っていたらその機能は発揮できないでしょう。
現状、こういった認識はされているということの図です↓
先程あげた身土不二という言葉はただ、地元でとれたものを食べましょうと言う意味だけではなく私たちの身体を考えるときにどういう土からか考える必要があるという意味も含んでいると思います。
だから次の画像のような土までつなげて考えることが食べ物を食べて生きている私たちにとって最も質の高い食べ物を食べることになりますしそれによって私たちの健康にもつながってきます。
その根本には食べものが育つ土。その質が何より大切になります。
より良い状態の土を再生させていくことから食べものや私たちの健康状態を考えることは単に健康管理のためだけでなくそうすることが環境問題やその他の現代の問題や100年後の時代を生きる世代について考える上では必要なことです。
限りある資源を再生させていくように管理して自分たちのためや次の世代のために貴重な資源を残していける時代を今から作っていかなければならない。
震災や原発の事故があってよりこれからはそういうことを考えなければならないと思います。
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