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自然に関わる事であれば、人間は自然をモデルにしてどうしてもやっぱり自然にはかなわないというのが普通だけど、ブラジルのアマゾン川流域にはそれを覆す例が点在しています。
今の人間の科学やツールを持ってしても作るのが難しい古代の遺跡のようなものですが、数千年前に暮らしていた人間たちが作り上げたもので、未だにそれが残っています。
それがこのテラプレタ(ポルトガル語で黒い土)と言われる土。
アマゾン川流域の熱帯雨林は常に暑く、雨量も多いので、森林が残す有機物の量もそれに相当するだけ多いのですが、同じように有機物を分解してしまうスピードも早く、長期間に渡って有機物が豊富な表土を残すことができません。
左の写真が通常の熱帯雨林の土の断面。
右側がテラプレタの断面。
一目で分かる位の違いが出ています。
熱帯雨林の伐採を止めるのが大切だと言われているのは常に有機物の供給が必要であり、一度樹木が失われて更地になってしまった後の劣化が早く、土を再生させることが難しいからだと言われています。
テラプレタの最大の特徴は数千年の間、これだけの有機物の量を保持し続けている点で、さらにこれは人間が管理していたことにより作られたものであるという点です。
同じように比較実験をしてみて、テラプレタの方のトウモロコシの出来と通常の土の上での出来との差は歴然です。
地元の人達は、大豆やトウモロコシ、パパイヤやバナナなどの作物をテラプレタで育て、生活しています。彼らの生活を支えているのは食べものを育てることができる肥沃な土。これがなかったら、左の写真のようなトウモロコシしか育たなかったら、この辺りの人たちの生活があったかどうか、疑問です。
人間が干渉することで通常より良いものが後世に残る。そしてその後の世代の人たちが生きていく基盤となる。こんなものを残していきたいし、テラプレタのような肥沃な土
これと同じような環境を作っていくことが、今の食べものや経済に換算するものに加えて大切になって行くんだと思います。
もちろん自然のあり方のベースに人間が手を加えたものですが、人間の力でこういうものを増やしていける時代、それを研究するような時代にしていきたいものです。
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