2011年8月7日日曜日

味の違いと土の違い

味が違う
特にそう思うようになったのは前回オーストラリアに行って帰ってきてその時に食べていたものと、ここ日本で食べているものとを比べてみてだ。

有機野菜は味が濃い。自然農法のものは美味しい。そういう話は色々と聞くけど、実際に味を比べる時って比較対象がないとわからないものだと思う。

比較がスーパーで売っている野菜などであれば、確かに味は違うと思う。
一般的な有機野菜や無農薬で…他にも自然農法や自然栽培いろいろなブランドはあるけど、だいたい味は違うはず。

でもそれらが一概に美味しいとは言えない。

ブランドより土
最近常に思うことだけども、「自然農法は有機より上」というこの思想は根本的におかしい。確かに自然農法は悪い有機よりもいいかもしれないがちゃんと育てている有機の人たちのと比べているとは言えないので上かどうか分からない。
そもそも全ての方法は「土をどのように作物がストレスない育ちやすいものへと変えていくか
」の指針でしかないと思う。シンプルに言えば
どうやって土をより良くしていくか?

自然栽培と名乗って始めると何やら奇跡のようなことが起こることはないと思う。
その過程で土が変わっていって良いものが育つようになる。なら分かる
○○栽培などのブランドよりも土がどう良くなって行ったか。ここがもっと大切なポイントなはずだ。


味の比較ということで、今年の1月からオーストラリアに行っていたときに食べてたものと日本の(主にこの地域:兵庫)ものを食べ比べてみて、味が違うなと思うものが多い。

比較したもの
違いがよく分かる
・ニンジン
・ズッキーニ
・レタス

この3種は違いがよくわかる。食べ方がシンプルであるのと品種による違いがそれほどない(F1が多い)など気候など基本的条件は全く違うけど、比べてみて。ものすごい違いを感じる

ニンジン
その時オーストラリアは夏。オーガニックファーマーが多くいても小規模のファーマーはその時ニンジンがないから買って食べていた。オーガニックニンジンが大規模スーパーでも気軽に買えるんだけど、夏真っ盛り。大規模なスーパーに並ぶということは大規模なオーガニックファームが育てているもの。規模が大きくなれば質は大体下がるからそれほど高いクオリティのものだとはいえない。

でも日本に帰ってきて食べた数件の有機(無農薬・自然農法など含む)のニンジンは…美味しくなかった。それも全然。


一般的に冬ニンジンのほうが甘みが強くなり美味しくなる。夏ニンジンを良く食べてた後すぐに帰って冬の日本のニンジンを食べてその違いを感じた。


ズッキーニ
ズッキーニは個人的にこれまでそんなに好きな野菜でもなかったんですが、前回のオーストラリアでシンプルに焼いただけのズッキーニに塩や胡椒という味付けだけで驚くほど美味しく、今旬だからと思って日本でも食べてみたけども、全然味が違った。

チヨちゃんの野菜のズッキーニ
味付けや調理法での違いではなく、これは素材の違いなんだろと思っていたけど、日本で育てると気候の違いもあるのかもしれないと思ってましたが、昨日「チヨちゃんの野菜」で分けてもらったズッキーニを同じようにシンプルに食べてみたら美味しかった。

育て方でやはり味の違いが出るようです。





レタス

レタスも同じように違いを感じる。 食べ方は至ってシンプル生でサラダ。だからというのもあるんだろけど、レタスの品種も農家として育ててる人が育てるのにバラエティがないような気もする。(写真の農場はこの時14品種のレタス栽培)










違いは「土」の再生
これらの違いが気候や調理方法や調味料等による違いではないと思う。

一番の違いがどういうふうに土を良くして行っているか。一番の理由はここにあると思う。
確かに自然に近い形でも土は形成されていくけど、自然に近い速度だと時間がかかる。

人が管理して食物を集中的に育てる場所。そこは同じように集中的に,森や山がやる100倍のスピードで土を良くしていくというようなことが必要だと思う。

変わっていく土
自然放置ではpH5.5程度の赤土。そんな有機物の少ない土で栽培するために良い土を再生していき、美味しい食べ物を育てることができるようになる。
元々悪くなったところからでも変えていける「再生していける」というのが良いポイントだと思う。
最初からベストな土を探すのは難しい。ベストに近い状態を再生していくことが食べものを育てる側の責任でもあり、次の世代にに残していく良い環境につながるんじゃないだろうか。

Beyond Organic(オーガニックを超えて)
有機農業や、自然農法、自然栽培を超えたものを増やしていきたい。

超えたというのも階層が上下という意味ではなくお互いの壁をこわしてよりよい土や環境食べものを育てるということができるようにという意味で…
そういう環境を作っていこう。土を変えていくことで、兵庫県の西の方を、美味しいものときれいな環境で有名な場所にしていきたい。


追加:2011年12月20日

おいしさと植物とストレスについて面白い記述があったので追加しておきます。


植物がその化学的特性を変えると実に興味深い減少が生じます。例えば、土壌の劣化や水分の消失と言った負荷が加わると、植物は葉一枚すら失うまいとして化学物質の備蓄を増やすことができます。同じ種類の木でも、肥沃な土壌に生育すれば美味しい葉が収穫できますが、痩せた土壌では苦い歯しか得られません。一枚でも葉に穴を開けれられると木は毒性物質を過剰に生成して残りの葉を防御するために、わずか、40分でその化学的特性を変えることも出来ます。したがって草食動物にとっては森林が変わったり木が変わったり、すれば、また同じ木の裏表ではエサとする植物の化学物質がどう変わるか検討がつかないのです。



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