オーストラリアで、いつもオーガニックな農業をしてる農家さんが、いうことは土のこと。
誰に聞いてもだいたい、良いものを育てたかったら(食べたかったら)良い土に変えていくこと。
もちろん土と言ってもどこでも同じではないです。地方によって、国によって、地域によって、少し移動しただけで全く違う土質になるところもあるほど、大きく3つに土質を分類してますが、3つの中でもひとつとして同じものがなく、人間や動物と同じように個性があると言っても良い土。
もちろん基礎条件も同じように異なってきます。
下の写真を見てください。
この辺りの土は基本的に赤土です。左の方に持っているのがこの辺りの、やせた、土壌、人も自然も手を加えなかった場合の表土です。
土壌分析の結果からもこの辺りは鉄が豊富な土壌。
分析値だけを見ると鉄過剰な土質とも言えるでしょう。
同じように、日本でもどこをとっても同じものはないですし、基礎条件がいいところと悪いところがあります。
一言で、オーガニック、有機栽培、自然農法、などくくるのは確かに消費者の視点から見ると良いものを選べるという点ではいい点なのですが、その中でも基本的な土質はどうなのか。
その上で、そこを使う人が、その土質においてどうやってベストな状態を築くか。
これが一番大切なポイントではないでしょうか。
その中でも良いものと。そうでもないものも含まれてしまうということです。
基本が違うので、同じ素材を使って、同じように土づくりをしたとしても、全く違う結果になるのは当然。それを自分なりの方法で、そこの理想的な状態に近づけていくのが人間が食べものを育てる上での一番のポイントでしょうね。
よく、自然の森や山ではこうやって土ができて。そこから学ぶのが一番ということは言われています。でもそれがどれだけ実行されているのでしょう。
自然が表土を作っていくとき、100年間で2.5センチと言われています。(これも地方差があるので一般論で)
これは自然の状態で放っておいての2.5センチです。
自然の状態はまず更地には背の低いいわゆる家庭や農地で邪魔者扱いされている雑草がはえ、それから背の高い草などがはえ、次に森を形成していく。
どれだけの有機物ができて朽ちていくでしょう。
人が手を加えず、どんどん積み重なっていくその有機物が微生物や土壌生物によって分解されて土に混ぜられていくこうやってできるのが100年で2.5センチ。
人間が農作業をしていたらどうでしょう。
そこで同じように、草をできるだけ生長させて、根を含む有機物の量を最大限に獲得しようとする人は少ないでしょう。
生えたら刈り、生えたら刈り。草の生長と競争するように刈り取りしていく。
その分、できる有機物の量は少なくなるはずです。
これでずっと管理し続けて100年間、自然が作るのと同じようなものを全く何も入れずにできるでしょうか?
人間が食べるものを集中的にまとめて育てるということはある意味かなり不自然なこと。
もちろん品種改良して、食べれる部分が多くなるように野菜も果物も穀物も改良されてきている。
不自然を可能にするために昔の人がしてきたことは、そこら中の有機物をすべて土に還してきたということ。
農地に集中的に有機物を還元して自然が100年かけて作る土を数年でつくる
自然を参考にしながら同じようなプロセスを短期間で、その代わりに小規模のスペースでやるというのが人間が管理して自分たちの食べものを育てるために必要なことではないでしょうか。
科学的になんか言うとこの数字がどうこうというような研究などは山のようにあるでしょうが、すごくシンプルに言うと、それが一番の土づくりじゃないかと思います。
写真についてあまりふれられていないので次回につづく。。。
0 件のコメント:
コメントを投稿