2010年11月22日月曜日

新しい哲学と基本づくり

20世紀後半、窒素肥料の投入量を7倍。リン酸肥料の投入が3.5倍に増えた結果。食料生産量は倍増した。しかし単純にこれを繰り返すことは可能ではない。大量に肥料を与えても、植物に必要な養分があれば使い切ることができないからだ。肥料の投入量を3倍にしたところで生物が利用出来る窒素・リン酸が溢れていたら大して役に立たない。今日農家が与える肥料中の窒素を、作物は半分しか吸収できないので、さらに増やしてもさほど効果はないだろう。(増やすことができたとしてもだ。) 
 

求められる新しい農業哲学
明らかに同じことをつづけていてもうまくいかない。
過去のやり方を未来に投入するのは失敗のもととなる。私たちに必要なのは新しい農業のモデル。新しい農業哲学である。もう一度農業革命を必要としているのだ。
土の文明史 デイビット・モントゴメリー著より引用


この本のメインテーマは昔の文明と土(農)とのつながり。
どの文明も土とのつながりはものすごく強く。侵食と同時に衰退して行った傾向があるそうです。

うまくいく新しいやり方。農業哲学をつくりあげる。というのは今から一番しないといけないことだと思っています。特に日本の有機農業は他の国と比べていろんな面で追いついていないのが現状です。作物も、土も、考え方も。基本も。
かと言って自然農法も解決策になるかというと、同じように足りないところが色々とあるとは思います。

基本としての哲学の上に、基本としてのオーガニックの農の知識。それにオリジナリティや栽培技術を加えていく。その最初の哲学と基礎知識。この部分をつくるのがこれからの一番の課題なんじゃないかと思ってます。

地味な本ながらいい本ですので一読をおすすめします。

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