2010年5月24日月曜日

腐るか枯れるか。土壌のミネラル

バランスが崩れている。それが今の農地であり、バランスだけではなく絶対量も不足している。ミネラル不足が世界的に大きな問題になってますが、なかなかそれを改善することも難しい。

なにより今の農業は窒素・リン・カリがどんな農業においても最も大切な事だとされている。木村さんのリンゴ、自然栽培においてもの弘前大学の杉山教授が調査した結果を以前見ていたら、チッ素・リン・カリを何も足さない自然栽培でどう行っているのかということに視点が置かれていた。何よりも必須のモノとなってしまっている三要素だけが栄養素ということが絶対となっているのが現代の農業。そこには問題も多くあり、それを解決していくことが大切だけどなかなかそれ以外の要素を見るのが難しいのか?


チッ素・リン・カリを足すだけの農業をしていて、それ以外のミネラルを全くと言ってもいいほど足さない。そこに問題があるんじゃないでしょうか。確かに多量に必要なものではありません。人間の体でも3%程度。その中の極々僅かなミネラルも大切ですね。

確かに自然のバランスを見たときに土壌に含まれているミネラルと元素は大体以下の順で多いそうです。↓

1,酸素
2,ケイ素
3,アルミニウム
4,鉄
5,炭素
6,カルシウム

ようやく7番目にカリウムが来て、

それからだいぶ飛んで11番目にチッ素

13番目にリン

がきます。もちろんチッ素、リン・カリがゼロで栽培するのが良いとは思いません。絶対に必要ですが、なぜそれだけしか考えないのかが不思議です。確かにチッ素を与えると生長が早くなるのはありますが、それが良いのかどうかは…

チッ素・リン・カリで育った作物は酸化しやすく、傷みが早い。自然栽培などで木村さんが言われたりしてることで

慣行栽培、有機栽培、自然栽培の3つの作物を比較したときに有機栽培のものが一番早く劣化するというのには有機だからと言って酸化しやすい、チッ素、リン、カリなどを大量に入れているんでしょう。

ただ、自然農法や自然栽培だから劣化が遅いと決まっているわけでもなく、有機栽培でもちゃんと育てているところなら自然農法の物より劣化しないようなものが存在するのは間違いないので、一概に自然栽培は有機栽培のものより良いというのも良いのかどうかは分からないはずです。

ここで確実に言えることは家畜糞主体の有機の作物は確かに劣化が早いということ。

それも、未熟な家畜糞を大量に使うところのものは劣化のスピードは恐ろしく早い。収穫後1日、2日で切り口から溶けていく。切り口がなくてもいろんな所が溶けていく。

農業の先生の話で興味深いものがあります。先生が育てた椎茸は腐らず、枯れていく、それも常温で。干し椎茸のように太陽の下で干していたのではなく。

同じように白菜も2ヶ月間ビニール袋に入れて2ヶ月間、秋から冬の間、口を閉めずにベランダに置いていたものが、外の葉が腐らずにパリパリに枯れていて、それをめくるとツヤツヤした白菜が。シャキシャキで美味しく食べれる。

話を聞くだけではなく、実物もいくつも見て、実際に試してみて確かにそのとおりなので驚きが大きい。

リンゴでも確かに初年度から切っても酸化せず(茶色くならず)そのまま置いておいたら腐らずに枯れていくものが育つ。

椎茸でも白菜でも本を出すとしたら奇跡の椎茸。奇跡の白菜か?

市販しているものだけではなく、本当に良いといわれているものであってもそこまでいくものはそうそうないだろうな。椎茸に関しては天然以外ないのでは?

それに必要となるのがミネラル。

そして今の土壌に圧倒的に足りていないものもミネラル。世界的に不足しているこのミネラルをどう戻していくか。昔のような循環を作るのは大切な事ですがすでに無くなっているものを今ある草などだけで補うのには数年から10年かかるのではないかな?

それにその間も収穫を続けたら失われていくモノも有る。

1992年の世界アースサミットで世界でどれだけのミネラルが枯渇してきているかが発表されてますが



100年でどれだけ減少したかのパーセンテージで示したものです、(リンク先は元のところ)

北アメリカは85%減、南アメリカは76%減。アジア、76%減。アフリカ74%減、ヨーロッパ72%減。オーストラリア55%減。

これだけ全体的に減ってきています。原因は農業だけではなく、林業や畜産のための開墾など、もちろん住宅やマンションなどの建造物によるものなど複合的なモノが有りますが、それだけ失われてきています。

有名な話ですが野菜などの栄養価も50年程度で10分の1になっているものも多くあります。

ミネラルは微量ですがビタミンや酵素を作り上げていくためにも無くてはならない大切なものですが、なかなか農業でも考えられることが少ないです。

土中になければ植物は吸わない。植物になければ動物も持っていないし、人間もとることはできない。取ったものはすべて流してしまう。

昔は肥溜めなどですべてのものを循環させてほとんど外に持ち出すことがなかったのが今では外に持ち出す方が多い。

作物は収穫して売ってしまう。食べたもので排泄されても戻さない。足すのは買ってくるもののみ。。。が多い。

採ったら枯れていくもの(奇跡のりんごや今回の椎茸、白菜などすべてに共通しているもの)の秘密はミネラルのバランスと植物が吸っている水にある。

4つの元素(酸素、炭素、水素、チッ素)と

100以上のミネラル(有害といわれているものも含む)

このバランスが大切とういことでした。

次に続く

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