2014年8月29日金曜日

植林された山と土

「植林」単語は同じでも実際に見てみるとそれぞれの山や地方に寄って全く違った環境を作っている。
今回、熊本県の鹿本森林組合の池尻さんの案内で今後の仕事にも関わってくる山の現状とこれまでのストーリーなど聞かせてもらいました。

兵庫県の姫路市周辺の山では植林地=真っ暗で表土がむき出しになり、削れているところが多くある。これからなんとか改善して行かないといけない状態です。


リビングソイル研究所近くの山の林床



今回の鹿本森林組合の管理している山は、まだもっと手を入れたいと言っているところでも間伐がされ、光が差し込んで林床は緑に覆われている。明るい山


鹿本森林組合の管理する山


こちらは高知県で撮影した植林された山の写真。道路際の道から見えた場所ですが、表土が削れてしまって、岩がゴロゴロ。危険な傾斜地です。林床には植物がほとんどありません。

高知県で撮影した植林された山


同じ植林された山だけど、人が手を加えてちゃんと管理すればこうも違ってくるものかというのがよく分かる実例でした。

大雨による災害が多い2014年。
災害によって多くの方が被害を受け、亡くなられた方も多くいらっしゃいます。

マサ土が原因で土砂災害。これがメディアで言われ続けています。
しかし、「植林」と言っても管理の仕方次第で全く違った環境になります。

鹿本森林組合が管理する山の土は、植林された山ですが、表層には豊かな表土と、細かな細根が多く見られ、スポンジのように水を吸収する土ができています。これは簡単には崩れないし、不要な水を排水する力も強くなります。

1枚目の写真は兵庫県姫路市の山。植林された山ですが、表土が流され、マサ土がむき出しになっています。さらに雨を防ぐクッションになる緑が少なく、雨のしずくは土を直接叩き削っていきます。

2枚目の写真ではほぼ全面が緑に覆われています。そこでは降った雨はまずは杉の葉や枝に辺り、しずくとなって落ちてきてもさらにしたにクッションがあり、ゆっくりと豊かな表土に染み込みます。


鹿本森林組合の山の表土。有機物で覆われ、緑で覆われ、表層まで細根がびっしり


大雨が降るのは私たち人間にはどうすることも出来ません。
しかしそれが降った時に次にどういう事が起こるのか。
これは人が変えることが出来ます。

すべての災害を防ぐことが出来る。そう言い切ることは出来ませんが、確実に災害を減らすことにはつなげることが出来るはずです。

豊かな山や豊かな土を育んでいくこと。これからその方向に舵を切っていくことは未来を変えていくことにつながっていくはずです





0 件のコメント:

コメントを投稿