2010年10月14日木曜日

豆腐づくりと食育授業

今日、たつの市の創業100年の豆腐屋さん「真心とうふ」の4代目の武内さんにいつも畑での食育授業をしているみかしほ学園の授業をしてもらいました。

特に今の10代20代は食べ物に気を使うということはほとんどないと言ってもいいんじゃないでしょうか。

コンビニで毎食食べる。外食はファーストフードやファミレスとか、インスタント食品とかも当たり前かもしれません。
今日の授業の学生たちはお菓子づくりのパティシエを目指す30人と、調理師を目指す20人の約50人。

武内さんにお願いしたのは、こういう事を伝えるのに、兵庫県内で武内さん以上に考えて真面目にやってる人はいないんじゃないかということがあったからです。

豆腐の原材料の豆からこだわって近くで旨い大豆を探し、全国の旨いと言われる品種を試して、大豆の種の研究をして、ついには今年からは自分で大豆栽培まで初めてどういう栽培をすればより旨い豆腐が作れるかということを研究し続けている。


国産大豆使用はいっぱいあってもなかなか大豆の栽培や、地元の大豆で、農薬も化学肥料も使わない人から直接仕入れるということをしてる豆腐屋さんは少ないのではないでしょか。
兵庫県内では間違いなく一番のうまい豆腐屋さんと評判です。

豆腐作りなんて関係ないや。とお菓子づくりの学生たちには思われていたと思いますが、一番学生の子に感じてもらいたかったのは、素材が違うとこれだけ味が変わる」
ということでした。


普段から、いろんな豆腐を食べ比べすることもないだろうし、それは米や野菜に関しても言えることだと思います。

ニンジンはニンジン、大根は大根。ホウレンソウは、ホウレンソウ。大豆は大豆。

どんな栽培をしてもどんな種を使っても同じだと思われているのが一般的に言えることだと思います。でも栄養価も味も昔のものとも、今のいい栽培をしている人のものとも比べると一目瞭然。味でも全く違うものになります。

だからこそ、いい素材があれば加工は最小限。

これがうまい料理の秘訣じゃないかと色んな料理人の方などに聞きますが、実際にそれで間違いないのではないでしょうか。


今回は比較してもらうために、武内さんに普段使ってる3種類の豆の豆乳を持ってきてもらってみんなで、飲み比べをしてもらいました。

1、在来種のもち大豆で、農薬・肥料なしの自然農栽培
2、フクユタカという品種の大豆で農薬肥料は少し使用の大豆
3、フクユタカで地元での慣行栽培大豆

3、はあまり普段使わない大豆だったんですが比較してもらいたかったので作って持ってきてくれました。

学生のみんなもわかったのが3の慣行栽培の大豆の豆乳は美味しくないということ。
1,2の違いは2の方が豆の甘みと豆らしい味がないこと。
1、は大豆らしい味でありながら甘みもある。
一度にこうやって味わうとよくわかります。

もともとは3代目のお父さんの時は比較的普通の大豆を仕入れてやっていたけど、4代目に変わって製法や大豆も大きく変えたそのきっかけとして、おいしいものを食べての感動を豆腐でもという想いが合ったからという話は今日はじめて聞きましたけど、心に響く話でした。


家で豆腐屋をしていたら豆腐は普通で意識して食べることがなかった。あまりに日常に入り込みすぎていて、気付かなかったけど、自分が食べて感動した料理のようにおいしい豆腐は食べたことなかったかも知れない。身銭を切って食べたものじゃないと意識して食べない。
だからうまい豆腐を食べようと意識してから本当はファッションの業界で生きていこうと思っていた武内さんが豆腐に熱を入れるきっかけになったことだったそうです。

最後に超希少な在来の青大豆を使って豆腐を作ってもらって試食。

最後に書いてもらった感想の中には、今まで豆腐嫌いだったのに、この豆腐は美味しかったという意見がいくつかありました。
豆腐が嫌いなんじゃなくて「まずい量産豆腐が嫌いなだけなんでしょうね。」

それにしても本当にこれは美味しかった。



素材の違いを知ってもらうことで、料理やお菓子づくりの時に意識して本当にいいものを作っていくプロが増えればそれだけ本当の意味で豊かな国づくりになるんじゃないでしょうか。

やっぱりうまいものは小さい企業で本当にこだわってやっているようなところが一番なんじゃないかと思います。
野菜や米、果物なんかでも同じだと思いますが真面目に、しっかり近くの人に伝えるそういう想いが伝わって今日来ていた学生のみんなも、そして彼らが伝える人たちにも良い影響が与えれたんじゃないかと思います。

武内さんには感謝


食育はほんまに大事ですね。
農と土を通した食育。
これから力入れたいところです。

1 件のコメント:

  1. 現場の声を伝えるこの授業は家庭科の授業に入れて推進すべきです。それにしてもパテのタマゴたちのおいしそうなこと・・・

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