2010年7月18日日曜日

良い土づくりと「おいしさ」

この間、毎月一回の「旬の会」でみんなで一緒に野菜の食べ比べしてきました。


この日のために大分のなずなの会から野菜を取り寄せて、近所の農家さんのものと一緒に食べてみて味がどうか。などを比較してもらいました。

今回比較したのは
  • キュウリ
  • ニンジン
  • ナス

後おまけに
  • トマト
  • ピーマン

メインはキュウリとニンジンでやりました。
味の差が一番分かりやすい。と思われる2種類で

まずはキュウリから。

キュウリは
  • 良い土づくりしてる方のキュウリ 高いクオリティのコンポスト使用
  • 近所の有機農家さんところのキュウリ 魚粉や鶏糞少々。有機石灰。液肥等使用
  • 近所の低農薬の農家さんところのキュウリ 生の牛糞をかなり多く使用(反あたり3トン程度)低農薬
  • 近所の慣行農家さんところのキュウリ 牛糞堆肥、化成肥料使用。 農薬は一般的な量
キュウリは特に農薬がかかっていたら口に入れたらわかるので面白いかなと思い、洗わずに食べてもらうことにしました。ただ、大雨がつづいていたからかなり流れていたようで少し感じた程度でした。

下から順番に食べてもらいました。自分自身あまり普通の農作物を食べないので久しぶりに食べてみてびっくりしました。

慣行キュウリは信じられないくらい味がない。本当に食感のみキュウリ。水っぽいというよりもうキュウリの味がない。といえる位の味の無さ。コレには驚きました。

低農薬のキュウリも大差ない味。少しましかな? と思う程度でした。

上の2つがようやくキュウリらしい味。 酒などが邪魔しなかったら誰もがわかるくらい大きな違いがあったんじゃないかなと思いました。

確かにコンポストで土づくりの栽培は味が良かった。皮もしっかり歯ごたえがあったし、甘みも香りもその中だったら一番でした。




面白いのがきゅうり嫌いな方にとっては全く味がないきゅうりが一番「まし」だそうです。

好き嫌いは、昔の感情に左右されるからそのもの自体の味は味わえないので仕方ないかな?

最上のものを知り、それから普通のものを食べるときの驚きが一番比較で大切なポイントですね。




次ニンジン。



このニンジンがみんな曰く いまいち分からないという事でした。 すごく違いがあるんだけど、慣れてないからかな?


そのことを、チヨちゃんの野菜の岡野さんと話しをしていて、ニンジンの味の違いが分かりにくいと言われたということを伝えたときに、たまたま4日程前に、岡野さんのおばあちゃんが育てたニンジンと神戸と丹波の2箇所の有機のニンジンとを朝に切っておいておいて、まだ小さい息子さんに食べさせたんだそうです。

丹波の有機のニンジンをまずかじって一言
「もういらない」

神戸の有機のニンジンをかじって
「いらない」

おばあちゃんが育てたニンジンをかじって

「あま~~~~~~~~~い」
と言って全部食べてしまった。


味が一番わかるのは、いらないものにあまり触れていない子供の舌。下手な大人やシェフなんかよりよっぽど味がわかるようです。

ちなみにニンジンは

  • 慣行栽培のニンジン 
  • 牛糞と化成使用のニンジン
  • 良質のコンポストを使ったニンジン。
この3種類。

ニンジンは甘みやベータカロチンのみ強化されているような種が主流で一般的に甘さは品種のみに依存というのが傾向だから、その味にごまかされて分からなくなるようです。

ちなみに慣行栽培のニンジンは苦くて味がなく不味い。
牛糞メインのニンジンは確かに甘みはあったけど、その後に苦味が来る。窒素過多。
栽培方法の悪さを品種でごまかしてる感じ。
良質のコンポストを使って育てたニンジンは確かに一番ニンジンらしい鼻をすっと通っていく香り。味も良い。ちょっと繊維質が強すぎたような感じだけど


玉ねぎ
たまたま話しを聞かせてもらった一徹らーめんというラーメン屋の大将も玉ねぎについていってましたが本当に良い玉ねぎは形もいいし、なにより辛味がなく、切ってても全然しみることがない。水にさらさなくてもそのまま食べれる。コレが本当に良い玉ねぎのシルシ
僕が今まで食べた玉ねぎでワーストはオーストラリアで普通の玉ねぎを買ってきて水にさらしていたら家中が玉ねぎのにおいと目をさすような痛みが充満して驚いたときかな。

あれはひどかった。




奇跡を当然のレベルに変えていくのがこれからの農のあり方


最後に、誰が言い始めたのか分かりませんが、無農薬のりんご栽培は木村秋則さんが世界で初めて成功したと言われています。確かに木村さんの業績はすごいものがありますが、それを信じて海外に行ってみるとそこら中にオーガニックのりんごがありました。

レッドデリシャスという品種のりんご↓ オーガニック認証 オーストラリア産と書いてあります。ちなみに1キロ=7ドル95セント(約600円) 

僕も最初は日本で木村さんが初なんだからないだろうと思っていたら、いっぱいあって、何で?と不思議に思っていましたが、世界初というのは出版社の方か誰かが勝手に入れた言葉なんでしょう。



1934年に私は家を買ったが、その庭は前の所有者の責任ではないのだ荒廃してしまっていた。

それはまさに病理学の博物館のようだった。

特に果樹はあらゆる種類の病害虫で息が止まりかけていた。そこで、あらゆる植物性の廃棄物を敷き藁(家畜の敷き藁)と混ぜて腐植にする手段をとることにした。

1年後には病害虫は退却を始め、3年のうちには1本のりんごの木のりんご線虫を最後にして全てが消滅した。
この間には殺虫剤も殺菌剤も使用しないし、病気にかかったものを廃棄することさえしなかった。それらの全てのものを腐植に変えたのです
1942年刊行 Organic Gardening誌より  アルバート・ハワード

普通に考えたら農薬に頼らないと育たない植物があったら今の時代にまで残っているはずがないですね。


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