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だいぶ時間が経ってしまったけど,先日、ひょうご在来種保存会の活動で、京野菜の現地視察があったので参加して行ってきました。
京野菜といえば言わずと知れた有名ブランド野菜。もちろん昔から栽培されてきた伝統があるというくらいなのでみんなが交配しないように気を配り、種を取ってずっと先祖代々同じものを栽培し続けてきていると思って楽しみにしていました。
種に気を配って栽培しているということは育て方も良い感じだろうか? 期待に胸をふくらませて行ってきました。
まずは昔から先祖代々同じ土地で農業をしている方のところで、昔から栽培され続けてきた唐辛子、それと「ほんものの九条ねぎ」を見学しました。
ここの唐辛子はずっと採取続けられてきたものだそうです。持っている人がほとんどいなくなった貴重な種。それもここの方も、一時もっと大きなものを収穫したいという思いがあって、大きなものを選んで採取してきたら味が変わってきたそうで、今は昔の形に戻しているそうです。
これがその唐辛子(高峰唐辛子)
すごく種採りを大切にしておられて、ABCDとランク分けしてしっかり種取りするところをわかるように目印しておいて,いいものを残すことを徹底していました。こういう姿勢を持って種採りをしてる方はすごく少ないから貴重な存在ですね。
こうやって残っていく種も残っていけばほんとにいいんですけどね。
ただ、残念ながら味は… 栽培方法がもう一つでした。いわゆるフツーの農業でした。土も長年やってきている割に痩せた土だったのでそれも当然か。
こんな土でした↓
数年ごとにユンボで土を掘り返すとよく育つと言ってましたが,それは…良いのか? しっかり土づくりをしていたらあんまりひっくり返さない方が良いはずだけど
実際に唐辛子やナスを少し頂きましたが、味は… 正直いまいちでした。薬の味がするというのが正しいかな? 本来の作物が持つ味が化学物質の味で消されて口の中が気持ち悪くなる感じでした。
こんないい種を取って育てるときは絶対にいい土づくりとセットにしなきゃ勿体無いですね。
九条ねぎの種採りの場所も見せてもらいましたが、住宅街で一角ポツンと葱坊主の一群が。
九条ねぎという名前で市場にはかなりの数が出回っていますが、本当に昔からとり続けられた九条ねぎは10%程度だそうです。
ここはその10%。周りは住宅街で畑がない。ねぎは栽培する人が多いから葱坊主ができて近くに畑が多いと本当にちゃんと種取りするのは難しいでしょうね。交配させないと考えたら難しい。
採取するときのポイントは、葱坊主から種がこぼれる位の時に取るのが一番だそうです。
何でも一緒ですが植物は種を作って自分で残そうとするのが本能のはずです。だから種は絶対にどういう形であれ残す。それと同じ状態にしてあげるのが一番良い種を取る秘訣なでしょう。種として充実していないときに種を落とすのが今の野菜や果樹など。ポロポロ落ちるのは異常になってきているという証拠ですね。風が強いからと言ってりんごが全部落ちたりしたら…おかしいのかもね。
その後,賀茂茄子と堀川ごぼうの栽培をしている方のところに行ったのですが、賀茂茄子は種をグループでとってしっかりやってましたが堀川ごぼうはすごく残念。ごぼうの状態で買ってきて畑に植えて育てるだけ。
種も,それ以前の栽培方法もなく、こだわりもなんもなし。ただブランドだから高額で買ってくれる料亭があるからやっているだけ。
そんなかんじでした。すごく残念。京野菜は全部みんなが種をとって残しながらやっているんだとばかり思っていたのに、ただの名前だけのものもすごく多いし、あまりこの辺りと変わらないかもしれないなという感じでした。
消費してくれる料亭などが近くにあるから、つづいているというのが現実のようで、賀茂茄子は若手の農家さんが大勢いるようですが,それも料亭に1個300円~400円で売れるからできることのようですね。
特殊な環境に支えられている京都は羨ましいですが、この程度の伝統なんだったら今からでも本当に良い伝統野菜をどこでも作れるかもしれないなと思いました。
伝統はないけど、数百年後に伝統になっているような野菜などを作っていくことは何より大切。
種が大切なのは間違いないですが、現状そこまでやるのは難しい面もあります。
どうにか良い在来種や固定種を残していければいいんですけどね。
土づくりと種は絶対にセットにしないとすごく良いものが育たないのは間違いない。在来種保存会のような活動がどんどん広がっていけば種の大切さを知ってくれる方も増えて良いですね。
これからも活動何かあれば手伝っていきたいもんです。種の保存も次世代につなげるためにしっかりやっていかないとダメな活動ですね! 兵庫だけじゃなく、全国,世界を含め。美味しい作物の種を残したいものです。
人参の花↓ これから種になっていく…
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