2009年10月16日金曜日

化学肥料と未熟・完熟堆肥の比較


化学肥料は別に悪くはないんじゃないか?
これはその答え その一つである実験をされている記事を引用させてもらっています。
soil test 1
確かにそう思うこともあります。化学肥料とは、主に作物の収穫量に関わるといわれている窒素(チッ素)、リン酸、カリウムという化学的分析によって作物にはこれが必要なのではないかといわれたこの3つの栄養素を科学的に合成し、それを生産者が土の中に入れることで、その土に植えた種や苗がその栄養素を吸って大きく成長するのを促す効果があるといわれています。
有機肥料とは、家畜の糞、食べ物の廃棄物、植物や雑草など自然界で昔から使われてきたものを土の中に入れることによってその土がそれらが持っている栄養素を吸って作物を育てるという効果があります。
有機肥料の難しい点は化学肥料のように均質な効果が出ないことにあるのではないでしょうか? 化学肥料は3つの栄養素を確実に決められた分、人の手で合成されているのでどんな効果があるのか見えやすいという効果があります。
しかし、有機肥料の場合、家畜が何を食べているかによって全くその糞に含まれている成分は違ったものになるので現われる効果が変わってくる。同じく、植物や雑草を肥料に使っても、木の葉を使っても、食べ物の廃棄物を使っても同じで、どのような栄養素が含まれているかは分からない。成分分析をすれば出るがそれほど均質な効果は出ないのだろう。

化学肥料は人間で言うとサプリメントのようなものです。あなたもサプリメントを飲むことがあるかもしれませんし、毎日のように何かのサプリメントを飲んでいるかもしれません。
マルチビタミン、ビタミンC、ビタミンA、カルシウム・・・etc何でも結構ですがその成分がどのようにできているか。またビタミンCにはほかに何が含まれているか。そんなことは気にしてはいないのではないでしょうか?
どんな科学であっても人間の体の1パーセントも分かっていないということは様々な研究機関で分かっていることでしょう。
上の写真時の根の状態
soil test2
名前もついている病気であっても原因すら分からない。それが科学の限界だと思います。そんな中ビタミンCだけが本当に体に良いのかどうかは不明です。明らかに欠乏した場合の病気などは分かっていますがそれも本当にビタミンCだけの欠乏であるのかどうか、不明です。
化学と生物学の根本的な違いとは。化学では人智をもって分かった部分だけを追求するのだが、生物学は未知なる部分を抱きかかえて懊悩するのである。
有吉佐和子著 複合汚染より引用
レモン1000個分のビタミンC入りの飲み物を飲むこととレモン1000個食べるときの栄養素。それは同じでしょうか?
レモンには人間が認識することがまだ出来ていない成分が恐らく何万何億とあるでしょう。もし全て分かっているのであれば人間は種がない状態からレモンを作ることができるはずです。
化学肥料は人間の体で言うとサプリメントでビタミンC、カルシウム、ビタミンAこの3つを取っていたら健康になれるといってるのと同じだと私は思っています。
もちろん窒素・リン・カリウムの3要素が人間に必要な、そして植物にとって必要な栄養素であればそれでもいいかもしれませんが植物も人間もそれ以外の微量の栄養素を必要としています。
確かに窒素、燐酸、カリウムは割合が大きいかもしれませんが微量であっても植物の成長に欠かせない。そういったものが作物に吸収されて連作障害として翌年育たないということになる。
そういった問題が起こる原因は微量要素が欠けているからではないでしょうか?
土は
微生物を含む有機物が5パーセント
無機物45%
水が25%
空気が25%
こういった割合のバランスによって成り立っているといわれています。
有機作物などの認証機関であるアイシーエス日本株式会社代表取締役の塙章さんはインタビューでこう言っています。
「化学肥料は生産技術を均質化する特徴があります。足りないものはどんどん入れられ、誰が作物を栽培しても均質なものができます。有機栽培の場合はそれができません。土の良し悪しがてきめんに出てしまいます。技術で化粧を隠すのが農薬や化学肥料で有機栽培は土や生産技術の「すっぴん」が勝負となります。
出典:危機かチャンスか有機農業と食ビジネスより
人間がビタミンC、ビタミンA、カルシウムの3つのサプリメントだけで健康に生きることができるか? その答えはNOでしょう。
それと同じく土の一生。それを考えると化学肥料はマイナスでしかないのでしょうか? 段々土が痩せて行くのはサプリメントで3つだけを取っているから、作物には栄養素が行っている様に見えるかもしれないが、土は痩せていく。
化学肥料が悪であるとは思いません。使い方さえ正しければ良い化学肥料ならば人間のサプリメントと同じ効果があるのではないでしょうか? 健康のあくまで補助としての効果ですが。
土が本当に欲しいのはサプリメントではなく、健康的な自然の食べ物なのではないでしょうか? 美味しい食べ物を与えていたら土は自然と健康になる。その補助にサプリメント。そのような意識転換をさせることが必要なように思います。
収穫時のキャベツの状態(上記の実験と同じ実験
soil test 3
収穫時の根の状態 化学肥料 完熟堆肥 未熟堆肥これだけ根っこに違いが出てきています。化学肥料の根っこはたったこれだけ。栄養素が多い土からは栄養を吸収するために根っこを伸ばさないというのは幻想ですね。化学肥料だと根っこを伸ばさなくなるのでしょうかね。
今、硝酸性窒素の問題もあります。ゴキブリを殺す殺虫剤を使う時、洗濯をするとき、食器を洗う時。洗剤や殺虫剤を少量だけもしくは適量使っているでしょうか?
多くの場合、少し多めに使ってより効果を挙げようとします。それと同じように化学肥料でメインで使われている。窒素、リン・カリの3つの要素を大量に使っています。
大量に使われた窒素肥料の半分は地中に吸収されず蒸発するといわれています。残りの半分も効果がなく、使った肥料の25%しか機能していない。そういわれています。
その窒素が大量に使われており、硝酸性の窒素という形に形を変え、人間の体に入る。それが私達にとって毒になっているそうです。
実験の引用
財団法人 日本土壌協会 ホームページのブックレットより

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