2012年2月28日火曜日

限りある資源

子供の頃近くの公園の土を掘っていたらそのまま地球の反対側にまでつながっているんじゃないかとそう思っていたことを最近思い出しました。

確かに意識しなかったら土はどこまでもあって無限にある資源のように思えてきますが、100年間で1cmしかできないと言われるほど少しずつしか出来ません。

1000年で10cm、1万年で1m。
もし農地に1mの柔らかい土があればそれを作るのに1万年かかったのかもしれません。
もちろん単純計算で失われる分は含まれていないですし、出来る量にも多いところもあれば少ないところもあります

下の写真で約20センチ。これだけ自然に増やしていこうと思ったら2,000年。それくらいかかるかもしれません。



ちなみにこういう風につくられてきた色が黒っぽくなってきている土ではなく赤っぽい色や黄色のような色の古い土は痩せていて作物を育てるのも難しい場合が多いです。

食べているものはもちろんその土の質次第で栄養価が何倍も何十倍も時には何百・何千倍も変わってきたりします。味にも関わりはありますが、どんな食べものを選ぶの前にどんな土で育っているか。で全く違う食べものを食べている位変わってくる場合も多いです。


さてそんな土ですが、もちろん自然に放置しておいたら増えていく場合もありますが、現代はそうも言ってはいられません。

いくら100年1cmの土ができていても10年で1cmの土をなくしていたらマイナス9cmで、どんどん失われて行ってしまいます。
他に替えのきかない限りある資源でなくなれば植物は育たず、植物や食べものの残さはほとんど分解されずそのままのゴミだらけ。水が枯渇して、植物が枯れ。
人間や動物が生きていけない環境になってしまうこともありえます。

土(表土)を失う大きなものとして土壌侵食と言われているものがありますが、大きなものは「水による侵食」と「風による侵食」です。

下の図はUSDA(アメリカ農務省)のHPよりの引用ですが水による侵食の図です。
淡い緑→黄色→オレンジ→赤という順に「水による侵食」の被害のひどさを示してます。

日本はかなり急斜面で雨の多い国ですのでかなり色は赤やオレンジのようです。

Soil map and soil climate map, USDA-NRCS, Soil Survey Division,
これも水によって侵食されていったケース。

こちらも同じく水による侵食と思われます。




こちらは風による侵食の図
淡い緑→黄色→オレンジ→赤という順に「風による侵食」の被害のひどさを示してます
Soil map and soil climate map, USDA-NRCS, Soil Survey Division, World Soil Resources, Washington D.C
今はここまでひどくはないようですが1930年代のアメリカのダストストーム。砂が舞うようなことは風による侵食です。












失う量が多いと増える量を増やさなければなりませんがそんなに急に増やしたりすることはできません。限りある資源をまず失わないように。そして自然が増やす以上のスピードで表土を増やしていく。
そうすることは様々な問題の解決策になり得ます。
下の図もアメリカの農務省のHPより。良い土を再生させることは空気や水にまで影響を与えるということがメインで伝えたいことだそうですが、それをすることで生産性が上がり(解決出来る問題としては例えば、飢餓や栄養失調など)水や栄養を保持する力が上がる
(水不足、経済的に肥料などが買えないなど)、表層付近の炭素(二酸化炭素の土への隔離→地球温暖化や気候変動に)

Clean air and water start with soil organic matter. USDA NRCS 11:

この図で言えることは移行期があって明日から危ないからと言ってもできないということ

土の再生。今からやっていくべきことです。

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